2013年2月9日土曜日

コネ

大学教員の公募でアカデミックポストを勝ち取った人には、さまざまな勝因があると思います。
当然、優れた能力を評価されて採用されることが原則ですが、中には、人とのつながり(コネ)が大きく影響することもあるでしょう。

コネで決まるというと、どちらかというとネガティブに捉えられるでしょうが、そうとも限らないと思います。
こういう人を採用したいという大学(部局)側のビジョンがあり、条件をすべて満たす優秀な人を信頼できる人から紹介してもらうこともあるでしょう。
(一方で、納得できない理不尽なコネ採用だってあるのでしょうが。)

コネを作るということを第一に優先すべきではないとは思いますが、学会に積極的に参加し、自分の研究を多くの人に知ってもらう、多くの人と知り合いになる、一緒に研究する、ということをしていれば、人とのつながりは自然にできますし、自分を知ってくれる人も増えるものです。

ひとりの人から、芋づる式に研究者の知り合いが増えることだってよくあります。

そして、公募の時、応募書類を見て、「あの人か。いいね。」と思われるのです。
もちろん、知られているということが、必ずしも良いこととも限りません。

「あの人の学会発表を聞いたことがあるけど、おもしろくなかった」とか、「研究が雑」、「変な人だから、一緒に仕事するのはちょっと…」という印象を持たれていると、当然知られていることが悪い影響を及ぼしかねません。
(中には「○○の弟子か」とか、「○○大学閥か」という変なことを気にする人もいますが、そんな人のことは相手にしないでいいでしょう。)

私も博士後期課程の3年生の時、知り合いの先生から、「学会発表するときは、就職活動と思ってがんばること」と言われたことがありました。

当時は、「そんなつもりで研究発表しているんじゃない」と純真な気持ちでいたのですが、今はその言葉に半分納得しています。
スカウトするつもりではありませんが、大学に職を得た今、学会で注目すべき若手研究者を見た時には、「こういう人がうちの大学に欲しい」と感じることがあるからです。

若手が妙に自分をアピールする場になり過ぎるのは変ですが、しっかりとした研究ができるということをほかの人に知ってもらうには、やはり学会での発表や論文発表が最良の機会なのです。