2014年2月8日土曜日

過信者は落ちる

いろいろと忙しくしておりました。
かなり久しぶりの更新となります。

この時期になると、来年度の身の振りが決まっておらず、4月からの生活を案ずる若手研究者(の卵?)と話す機会が増えます。

そこで感じたこと。
どんな人にとっても大学教員の公募を勝ち抜くことは困難な今日ですが、なかなか結果が出ない人の特徴のひとつに過信があります。
「もっと自信を持てばよいのに…」と思う人もいる一方で、最近話した人には、「もっと謙虚にならないと決まらないよ」と言いたくなる人がいました。

「自分の年齢、業績、学歴が他の応募者に劣っているはずがない。なのになぜ決まらないんだ。おかしい!」」というのです。
よほど学歴や自分のケンキュウ能力に自信があるのでしょう。
しかし、はっきり申し上げると、そのような認識を改めない限りこの人は就職することはできないでしょう。あなたくらいのレベルは掃いて捨てるほどいますよと言いたくもなります。

人事に関わったことがあればわかることでしょうが、公募を出せば非常にたくさんの応募があり、その中にはかなりの猛者が含まれています。
しかもその猛者はひとりふたりではありません。(大学によって人数は異なるでしょう)
自分がその猛者のひとりであったとしても前記したような認識では勝ち残れません。

具体例を挙げます。
仮にあなたが現在35歳。アメリカの某有名大学で博士号を取得し、その後ガクシンのPD、5つの大学での非常勤講師の経験があり、単著5冊、レフェリー論文30本の業績を持っていたとします。
このスペックで国内某大学の専任講師の公募に応募するとします。
この場合、猛者のひとりになり得るかもしれませんが、それだけでは決まりません。

学歴や研究業績は最低ラインを超えてさえいればOKで、それ以上でも以下でもありません。
いちいち論文数を数えて順位をつけたりはほとんどの場合しないでしょう。
それよりも一緒に働きたい人間であるかどうかというポイントが重要です。
↑「研究者なのにそんな判断基準はばかばかしい」と思ったら危険です。就職できません。

総合的に見てその人が魅力的でなければ採用されないと考えてよいでしょう。
そのことに気付かない限り過信者が就職するのは難しいと思います。
人気公募に通る人は優秀で業績があっても「自分はまだまだだ」と思っている人のはずです。