2012年11月16日金曜日

大学教員公募の面接(実施側の立場)

 この時期、どの大学でも来年度の人事案が固まり、場合によっては他の大学に割愛依頼を出す頃ではないでしょうか。
 と同時に、いきなり割愛依頼が届き、慌てふためく立場になる可能性も十分にあるわけですが。

 さて、そうした話に関連する、教員採用について一話。
 私はこれまでに新規教員を採用する際の面接者(面接する側)となった経験があります。
 そうした経験を通じて、採りたいと思う候補者には、共通点があることに気づきました。

 その共通点は複数あるのですが、まず挙げたい点は、
 採用された場合、自分にどのような役割が期待されているのかをしっかりと自覚しているということです。
 これは、単に担当する科目がわかっているというようなレベルではありません。
 所属することになる学科やセンターの教員構成やバランス、学生数等を把握し、自分の専門性や年齢等を勘案して、求められるポジションや役割を自ら見出しているというようなものです。
 そして、そのビジョンが、こちらの要求と合致している、あるいはそれ以上のものであるという共通点です。(自分で見出した役割が大学側の思惑とずれていると逆効果になる危険性もありますので、簡単なことではありません。)
 採用直後から、大学側の求めに合致した働きをしてくれるだけでなく、「期待以上の貢献をしてくれそうだ」というお得感が感じられる人はぜひ採りたいと思うのです。

 そのような候補者になるためには、やはりまずは面接を受ける大学、学部、学科、所属する教員等のことを可能な限り調べ上げ、公募情報だけでは知ることができない、現場の実態に迫る必要があるでしょう。

 採ってもらうという受け身の意識ではなく、通るという能動的な意識が重要ですね。
 (なんか、学生に対する就職活動指導っぽくて嫌ですが。)

 とにかく、同じ採用でも、「この人でいいや」ではなく、「この人をここで採らないともったいない」という評価をされるつもりで臨む覚悟が必要でしょう。