2012年11月25日日曜日

大学設置審査の厳格化について

最近、大学設置審査の厳格化の動きについて聞かれることが多くなってきました。
こういった問題の専門家ではありませんが、大学で働く人間だからでしょう。
このブログでも、日本には非常に多くの大学が存在しており、定員割れ、経営難などの問題を抱えた大学が少なくないということについて言及してきました。
もちろん、基準を経て設置が認められているのですから、それぞれの大学が存在している意義はあるはずです。
しかし、18歳人口が減り続ける状況では、大学が変わらない限り、淘汰される大学が出てきても不思議ではありません。
変わるといっても、その変化が、大学を維持させることだけ(経営的な観点から潰れないことだけ)に注力したものではだめでしょう。きれいごとのようですが、やはり教育機関としての変革でなければ、長い目で見ると危険です。
定員割れをしている地方の私立大学は特にこの点は要注意だと私は考えています。

増え続ける大学の数やその設置・改組審査のあり方についての問題は、大学関係者の間では、以前から懸念されていたことではありますが、この数週間でこうした問題が社会的にもクローズアップされ、多くの人が考えだしました。
それ自体はいいことだと思います。
選挙での大きな争点にはなっていませんが、一過性のもので終わってしまわないようにしてほしいです。
設置認可の基準がどのように変わっていくのかにしっかりと目を向け、国民全体で議論してほしいと、一大学人として願っています。