2013年1月22日火曜日

国立か私立か(大学教員の公募・職場選び)

大学の教員にとって、どの大学で仕事(研究・教育)をするのかということは、とても重要なことだと思います。
同じ「大学教員」であっても、所属する大学が違えば、「研究できる/研究はとてもできない」という違いがあるのは当然ですし、同じ職位でも年収で2倍以上の差が生じることも珍しくないのです。
職場としての大学選びの視点は複数ありますが、よく比較されるのが、「国立と私立」です。
大学の教員になるなら、国立の大学で働くのがよいか、私立の大学で働くのがよいのか、ということです。
何を重視するかによって、その答えは違ってきますが、私の分野の場合、私立に恵まれた環境が多いといえます。
ただし、どの私立大学でもよいというわけではありません。(←ここ最重要!)
定員割れで、経営が危うい過半数の私大のことを言っているわけでは決してありません。
あくまで、多くの学生に志願され、経営も安定している、都市部の大手の私立大学(そんな大学は数えるほどしかありませんが)の教員になることができれば、非常に恵まれた環境の中で、研究・教育ができるのです。

あくまで私の場合ですが、次に恵まれた環境はおそらく、旧帝国大学ということになります。すなわち国立の一部の大学ですね。
ただ、法人化以降、何かと不便なことが多いらしく、あまり良い話を聞かなくなりましたね。(理系の場合は、研究設備等の関係で旧帝大がもっともよい環境である可能性が高いかもしれません。)
「旧帝大の教員だぞ」と威張りたい人にとっては、ここがもっとも良い環境となるでしょう。
出身大学で働きたいという思いが強くなり、その願いが叶えば、私もここに帰ることになります。(今のところ、そのような気持ちは皆無ですが。)

それ以外となると、国立、私立という枠組みでの判断は難しくなります。
あとは、研究環境や待遇などを考慮して、個々に判断することになるでしょう。
ただ、規模が小さく、志願者も少なく、研究者ではない教員が多い大学(?)で働くことになると、とても苦しいものです。(私もこのような「だいがく」に所属していたことがありました。)
一応、「大学の先生」なのに、この先、安定した生活ができるのかという心配をしなければならない状況は辛いものです。

公募で研究職に就くこと自体がかなり厳しい状況ですが、「どこでもよい」という考え方も危険なのです。