2013年1月24日木曜日

任期付き採用の是非(大学教員の公募)

現在は、大学の教員として働くことを目指す人にとって非常に厳しい状況が続いています。
大学院で学位(博士)を取得し、業績をそれなりに積んで来たにもかかわらず、公募に出しては不採用、いわゆる「ますます通知」ばかりをもらっている人たちが私の周りにも沢山います。
彼らの顔を思い浮かべると、必ずしも研究能力が優れているということだけで採用を勝ち取ることはできないということを改めて感じます。

そんな状況の中にあっても、ひたすら闘い続けた若人の幾人かは大学教員という地位を得ています。
ところが、その「採用」は、「任期付き採用」である割合が近年ますます高まっているように感じます。

実際に、公募情報を眺めていると、「任期あり」の文字をよく見かけます。
期間が定められた研究プロジェクトの特任ポストである場合、「任期あり」というのは、当然でしょう。
しかし、大学の学部やセンターの専任ポストであるにもかかわらず、「任期あり」としている公募が意外にも多いのです。

おおよそ2~5年の任期を付け、「再任あり」とか「再任なし」といった情報がくっついています。
それぞれの公募にやんごとなき事情があるのでしょうが、しっかりとした研究者を採る、あるいは、安定的な部署の運営のことを考えると、こうした「任期付き採用」はいかがなものでしょうか。

経営上仕方ない場合もあるのでしょうが、特に若手に対し、「いつでもクビにできるんだぞ」という脅しの意味で任期を付けているケースでは、決していい結果をもたらさないでしょう。

教員は大学を信頼せず、優秀な人材はすぐに流出すると思います。

皆さんはいかがお考えでしょうか。