あまり知られていない、大学教員の採用人事。
採用には様々なパターンがありますが、もっともスタンダードかつ正当な(?)研究者養成のプロセスを紹介します。(ちなみに私自身は人文社会系です。)
まず、まともな(?)大学の教員になるには、学位が必要です。それも博士の学位です。
もはや文系でも博士が求められます。
博士となるには、大学院修士課程、博士課程と進学し、論文を書いて審査を通過しなければなりません。そう簡単ではないですね。しかし、まっとうな研究者はこうした道を歩んで来ています。
さらに、多くの場合、大学院博士課程を終えた後は、すぐに大学教員になるのではなく、研究員や助手などを務めることになります。または、大学の非常勤講師を複数担当し、経済的に不安定な時期を送ります。(個人差がありますが、40代半ばまでこのような状態が続くことも稀ではありません。)
その後、実力と運が伴った人は大学の常勤ポストをゲットするのです。まずは助教や専任講師となることが多いです。
ただし、大学の常勤ポストをめぐる競争は激戦です。分野によっても異なりますが、ひとつの椅子をかけて、数百人で争う事も珍しくありません。
さらに、常勤のポストを得ても大学間で大きな待遇面での遇格差があり、安定的に研究を続けることができる環境を得ることができる研究者はごく一握りの人に限られるというのが現状です。
給与面での格差については、こちらの記事をご参照ください。
ポストをめぐる争いが繰り広げられる「公募」にもいろんなドラマがあります。
その話はまた後日。